パッと惹かれたのは「戦争の『狂気』に対し、警鐘を強く打ち鳴らす。」という一文。
続くインタビュー記事を読んでみると、試写をご覧になった皆さんが「"ただごとではないもの"を観てしまった。ただごとではないというのは、戦争が他人事じゃなくて自分のこととして観たという実感を持ってしまった。」と仰るらしい。そこでまた興味を強く惹かれる。
戦争映画は好きではないのですが、この映画には原作があるらしく、原作は檀一雄さんの小説『花筐』。大学予備校(現在の高等学校)に通う三人の若者の放蕩無頼な青春を描いた作品らしい。
あれ?戦争ものじゃないのかな?と思いながら、インタビュー記事を読み進めると、どうやら原作小説が発表された昭和11年という時代背景を理解していると受取り方が全く変わるようです。
原作小説が出版されたのは、太平洋戦争に繋がる日中戦争前夜、原作者が24歳の時。自由にものが書けなかった、言えなかった時代。戦争なんて嫌だと思っていても、そんなことを一言でも言おうものなら国家の罪人となり、処刑されるかもしれないという時代。
そのことは書けないから誰も書かなかった。原作者もはっきりとは書いていない。
だから敗戦後に生まれた人達には、原作者がほんとうは何を言いたかったのかがわからない。けれど戦時中に生まれた大林監督には痛いほどわかる。
花筐は、一見すると放蕩無頼の青春小説なんだけど、実は放蕩無頼ではなくて、"自分の命くらいは自分の自由にさせてくれ"という、当時の物言えぬ若者達の切実な言葉だったんです。
だからそれを知っている後輩の僕(大林監督)が物語ってあげなきゃ、檀さんのことや、僕の父親や兄たちの時代のことは誰にも伝わらないんだと。今回この映画を作ってつくづくそう思いました。
そこまで読んで、花筐という映画を観たいと思いました。映画の公開日は12/16(土)より有楽町スバル座ほか全国順次公開。
ん?全国・・・順次??全国一斉公開じゃないの???
マジか・・・上映館が限られている。しかも公開日は、2017/12/16(土)が一番早くて、順次公開されていき、一番遅いところでは2018/2/10(土)になってました。
うわぁ〜・・・福岡で上映の予定がない。なんということでしょう。。。
とりあえず、下記の公式サイトから[上映劇場]をクリックして、上映館と公開日をご確認下さいませ。
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花筐 映画 公式サイト
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